質屋営業許可とは?~質店開業に必要なものとは~

宇都宮の質屋、株式会社ヤマシチが質屋営業許可を取得し実際に開業するまでの方法を解説します。

「質屋」という名前は広く知られていますが、その仕事内容や実態はあまりよく知られていません。そのため、お客様の中には、質屋を利用することに不安や抵抗を感じる方もいらっしゃるようです。
このページをご覧いただければ、質屋についてもう少しだけ知っていただけるかと思います。

質屋の営業については、許可と同時に質屋営業法という法律が定められていて、質屋になれる人の条件、質屋営業に必要不可欠な保管庫についての詳細、無許可営業の禁止などについて細かく規定されています。この辺りも質屋の安心感につながりますね。

もしこちらをご覧の皆様の中に質屋という業種に興味がある方や、実際に開業したいという方がいれば是非参考にしていただければと思います。

質屋営業許可

質屋の営業をおこなうためには、質屋営業法に則り都道府県公安委員会から「質屋営業許可」を取得しなければなりません。質屋は資格や免許は必要ありませんが、誰でも勝手に始められる仕事ではなく、公安委員会=警察の許可をもらって初めて営業が出来る仕事です。

質屋は、お金/お客様の品物を扱う重要な業種であるため、厳しい規制が設けられています。また、許可なく営業すると罰則の対象となります。

代表者や店舗管理者は、管轄の警察署に自身の詳細がわかる書類を提出しなければなりません。
そのため、経歴に問題のある人物が質屋になることはできません。

質屋営業法には、「欠格事由」という項目が11項目ほど定められており、これらの項目に一つでも該当する人は質屋営業許可を取得できません。例えば、住所不定の人や、公安委員会が定めた質物の保管設備を備えていない人は、許可を受けることができません。

このように、質屋は法律によって厳しく管理されているため、お客様は安心してご利用いただけます。「怪しい」「怖い」といったイメージとは異なる、安全で信頼できる存在であることをご理解いただければ幸いです。

もちろん株式会社ヤマシチの代表である私も住所 電話番号 生年月日から、履歴書、職歴書まで宇都宮の警察署に保管されています。質屋の代表者や管理人になると学歴や職歴まで警察に把握されていることになるのです。

大きなハードル「質屋の保管設備」とは?

質屋はお品物の買取とは別に、お客様からお預かりした品物と引き換えにお金を貸し付けることを仕事としています。そのため、預かった品物を盗難や火災などの被害から守るために、堅牢な保管庫を設置することが義務付けられています。この保管庫は「質蔵」とも呼ばれ、質屋にとって必要不可欠な設備です。

保管庫の基準は都道府県によって多少異なりますが、例えば栃木県の場合、以下の条件を満たす必要があります。
キーワード:都道府県名 質屋 保管設備 で検索すると出てくると思います。

これらの基準は、お客様からお預かりした大切な品物を安全に保管するために設けられています。
一般的な建物の構造と少し変わってきますので施工が可能な工務店/ハウスメーカーなどを探す必要があります。

ヤマシチでは、これらの基準のクリアはもちろん、24時間365日湿度温度を管理しております。お品物の保管品質の面においても、お客様に安心してご利用いただけるよう努めております。

質屋営業許可の申請方法

質屋を開業するには、店舗を管轄する警察署の生活安全課に相談し、質屋営業許可申請を行う必要があります。近年ではリサイクルショップの増加により古物営業許可の申請は多いものの、新規で質屋を開業するケースは少なくなっています。そのため、担当の警察官でも質屋営業許可の手続きや開業に関する実務経験がない場合が少なくありません。実際にヤマシチでも2名に担当していただきましたがどちらの方も経験はないとのことでした。

スムーズに開業するためには、時間に余裕を持って準備を進め、警察の担当者と密に連携を取ることが重要です。

具体的には、以下のような点に注意しましょう。

  • 早めに相談:質屋開業を決意したら、できるだけ早く警察署に相談しましょう。担当者も不明点があれば、警視庁に確認する必要があるため、時間に余裕を持つことが大切です。
  • 積極的に質問:質屋営業許可の要件や必要書類、保管庫の基準など、不明な点は遠慮なく質問しましょう。
  • こまめな連絡:許可申請の手続き状況などをこまめに確認し、担当者とコミュニケーションを密に取りましょう。

ヤマシチでは建物を建て始める半年ほど前から生活安全課へ相談に通い始めました。建物を建ててしまってからでは遅いので、要件に当てはまるのか細かく慎重に確認しながら進めたのを覚えています。

ヤマシチが経験した質屋営業許可取得までの流れです。

これで晴れて質屋を営業することができます。

最後に一つだけ注意点を。
質屋営業許可を個人で取得していても、法人(会社)では使えない点に注意が必要です。

古物商許可も同様ですが、質屋営業許可も個人と法人ではそれぞれ別の扱いとなります。法人として質屋を営業するには、法人名義で質屋営業許可を取得する必要があります。

たとえ代表者や管理者が個人で質屋営業許可を取得していても、それを法人に適用することはできません。法人として質屋を開業する場合は、法人としての要件を満たし、法人名義で許可申請を行う必要があります。

個人事業主として開業するか、法人として開業するかをよく検討し、適切な手続きを進めていく必要があります。

最重要は運転資金の準備

質屋を開業する際に直面する大きな課題の一つが、「運転資金の準備」です。

質屋は品物を買い取るだけでなく、「質預かり」も行うことで利息収入を得られることが大きな魅力です。ですが、開業当初は顧客も少なく、質預かりの契約数は限られています。一方で、これまでにあげた建物や保管庫の設置費用など、開業準備には多額の費用がかかります。そのため、初期費用に加えて、当面の運転資金を確保しておくことが非常に重要となります。

個人で十分な運転資金を用意できることが理想ですが、質屋開業には多額の初期投資が必要となり、決して容易ではありません。
特に開業当初は質預かりによる収入も安定せず、出ていくお金のほうがはるかに多くなります。
質屋を開業するにあたって運転資金を準備する事はそれだけ壁が高い問題なのです。

質屋営業許可とは? まとめ

質屋は、買取業と同時にお客様からお品物をお預かりし融資する質屋業をおこなう、地域に密着した頼れる存在です。

ただ、質屋を開業するには、警察の少し厳しめの許可を得ることが必要となります。これは、質屋がお預かりする品物を安全に管理し、お客様との信頼関係を守るためなのですね。

許可なく勝手に質屋を始めてしまうと、「無許可営業」となり、法律で罰せられる対象となることは質屋営業法にも書いてあります。

実際に質屋の開業を経験した感想は、建物の設計から始まり、法人の設立、内外装の施工で1年ほどかかりました。そして建物完成、法人設立後から質屋営業許可の申請書類を提出して営業許可がおりるまで2ヵ月くらいかかるので、全体を通すと1年と数か月ほどかかりました。
店舗の建設と会社設立/準備を並行して進めてきましたが、正直とても大変でした。
ただ私の場合、ほんとうに様々な方に支えられながら、ご迷惑をおかけしながらの実現ですので、
周囲の方々の理解」が何よりも重要なことだと感じております。

「質屋」という言葉を知らない方は少ないと思いますが、サービスの内容まで知っている方はまだまだ少ないように感じています。現代質屋の安全で便利なサービスをより多くの方に知っていただき、未来に向けて業界をさらに発展させていけるよう情報を発信していきたいと思います。

よければまた見に来てください!

山内 佑介
代表取締役
初めての方にも抵抗なく、もっと気軽にご利用いただけるよう分かりやすくお伝えすることを心がけております。
質屋は「物を売る」以外にもその物で「お金を借りる」といった選択もできる便利なお店です。
質屋の便利について、当Webサイトで解説しています。

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yamasichi